2023年7月にサービスが開始されたMeta社のSNS「Threads(スレッズ)」。
好奇心のままサービス開始早々にThreadsのアカウントを作り、その際の感想記事的なものを書いていましたが、Threadsに期待している機能の一つが「Fediverse連携」でした。
Fediverse(フェディバース)とはActivityPubという仕組みで様々なサーバーが相互に繋がる仕組みの総称のようなもの(※詳しくわかってない人のざっくり説明です)で、有名なところだとMastodonやMisskeyといったSNSが有名です。
ただ、MastodonやMisskeyの多くのサーバーは個人の方によって運用されているため、なかなか公式アカウントや有名人のアカウントが作られづらいという面がありました。
そんなFediverseにThreadsが参入すると、MastodonやMisskeyからThreadsアカウントの投稿が見られるようになる(かもしれない)!というわけ。
ただ、やはりThreadsと他のSNSとの連携となるため、ThreadsのFediverse連携への動きは慎重なように見えていました。
しかし、2024年3月下旬より、日本・アメリカ・カナダのみではありますが、いよいよThreadsのFediverse連携機能のベータテストが始まりました。
私の利用しているMastodonサーバー・Fedibirdでは一足遅くなり4月初旬になってからThreadsの投稿が表示されるようになりましたが、なんだか新鮮で面白いかも…という感覚です。
今回は、Threadsのフェディバース連携のベータテストについて、Threads側・Mastodon側それぞれの目線からの感想など書いてみようと思います。
Threads・Fediverse投稿シェア機能のベータテストが始まりました!
2024年3月22日、Threadsにてフェディバースへのシェア機能のテストが始まりました。
ベータテストではあるので、テストの状況や結果によって今後変更になったり追加される部分もあるのだと思いますが、2024年4月9日現在の状況についてさくっとまとめておきます。
Fediverse投稿シェア機能は設定からオンにする必要がある
ThreadsのFediverse投稿シェア機能は、Threadsで投稿した内容がMastodonやMisskeyをはじめとしたFediverseで相互に接続されたサーバーへ同時に配信される機能です。
MastodonやMisskey間では、それぞれの投稿を見ることができるのですが、ThreadsではベータテストのためThreadsの投稿を他のサーバー(SNS)に表示させることは出来ても、MastodonやMisskeyの投稿を見ることは(現時点では)できません。
悪くいえば投稿を一方的に見られる状態になるともいえるので、勝手にThreadsの投稿を他のSNSから見られるようにしないで…と心配になるThreadsユーザーの方がいるかもしれませんが、設定でフェディバース機能をオンにしなければ見られることはありません。
ちなみに設定を変更するには、Threadsの設定メニューの「アカウント」から「フェディバースでのシェア」を選びます。
デフォルトではオフになっていますので、オンに切り替えるとFediverseへ投稿が表示されるようになります。
なお、オンにした後にフェディバース連携をオフに戻すと、再度フェディバース連携をオンに変更するには30日が経過しないと変更できなくなるため、フェディバース連携をオフに戻す際は注意が必要です。
Fedibird(Mastodon)から見えるThreadsの投稿と通知の表示
実際に自分のThreadsアカウントでフェディバース連携をオンにしてみたので、私が現在愛用しているMastodonサーバー・FedibirdからThreadsがどのように見えるのか確認してみました。
もちろん最初はThreadsアカウントをフォローしていないため、検索で「〇〇@threads.net」とフェディバースのシェアをオンにすると表示されるFediverse用のユーザーネームを入力。
無事、Threadsアカウントの表示が出てきました。
Threadsなのに、Mastodonの感じで表示されているのがなんとも面白いと思ってしまいましたね。
Threadsで投稿をすると、すぐにMastodonに反映されないようだったのですが、だいたい5分ほどすると投稿が見られるようでした。
Fedibirdの場合、絵文字リアクションが出来るサーバーなので、Threadsではいいねしか存在しないのですがFedibirdの絵文字リアクションが表示されているのがなんだか面白いですね。
特にThreadsアカウントの存在をFedibirdでお知らせしていなかったにも関わらず、どなたかが投稿を見てくださったようだったので、Threads側での通知についても確認することができました。
Threadsでは、フェディバースユーザーが◯名いいねしたという通知のみ表示されています。
個別にどのサーバーのどのアカウントがいいねをしたのかということについては、Threads上では全くわかりません。
そして、試しに自分のThreadsアカウントをFedibirdアカウントでフォローしてみたのですが、フォローされた通知は表示されず、フォロワー数も増えていませんでした。
私は検証していませんが、MastodonやMisskey側からリプライを送っても、Threads側に通知が届かないようですね。
あくまで「投稿をフェディバースにシェアできる」「フェディバースで接続したサーバーからのいいねが(アカウント情報無しで)伝わる」の2点が可能といった状態のようです。
一部のMastodon・MisskeyサーバーではThreadsの投稿が見えない模様
Threadsでフェディバース連携をしたからといって、100%MastodonやMisskeyなどで投稿が見られるようになっているわけではなさそうです。
Threads側で何かしらの連携の条件のようなものがあるようで、サーバーによっては連携されない状態になっているようです。
私が利用しているFedibird(Mastodonサーバー)においても、Threadsのフェディバース連携ベータテストが開始されてもThreadsの投稿が表示されない状態が続き、Fedibirdのサーバー管理人・のえるさんのご尽力で2024年4月4日にFedibirdでもThreadsの投稿が表示されるようになりました。
自分が見えるとMastodonやMisskeyのアカウントは皆見えているという気持ちになりがちですが、あくまで自分のMastodon(Misskey)サーバーは見ることが出来ているんだという気持ちは忘れずに持っておきたいと思いました。
Threadsにある公式アカウント、フェディバース連携はメリット大かも
Threadsのフェディバース連携ベータテストをThreads側・Mastodon側それぞれから見た感想を書いてみましたが、正直、フェディバース連携はいい点も微妙な点もあると思います。
まず、個人のアカウントについては投稿が自分の知らないような数多くのサーバーに届くようになるので、思わぬ方面に投稿が見られている…という可能性が高くなる可能性はあるのだろうと思います。
というか、Threadsでフェディバースへのシェアについて説明されている文章が(間違っていないとはいえ)少し怖さを感じるところがあるので、元々MastodonやMisskeyを使っているような人でもない限りシェアをONにしづらいかもな…という気はしました。
そもそも、フェディバースって何?という人も多いでしょうから、設定の中にこっそり存在しているフェディバース連携メニューに気付いていない人もいそうですし。
一方、企業公式のような多くのユーザーに投稿を見てもらいたいThreadsアカウントには、フェディバース連携はメリットが大きいのではないかと思います。
たまたま見つけたものですが、Threadsに公式アカウントを持っている焼菓子店さんがフェディバース連携をオンにしたところ、かなり大きな反響を得られていたようです。
Threadsはデフォルトでホーム画面がおすすめになっていますが、フェディバース上のSNSではホーム画面が時系列になっているので、運営側のさじ加減を気にせず投稿を表示させられるのも地味に強いような気はするけど…実際のところどうなんだろう。
現時点では残念ながら、フェディバース連携をオンにされていない公式アカウントは多々あるように感じますが、X(Twitter)でもThreadsでもないSNSに設定一つで投稿を流すことが出来るのはすごくアリなのではないかなと思います。
個人的には、これまでThreadsでしか見ることが出来なかったアカウントの投稿をMastodonのタイムラインから眺められるようになったのがとても嬉しく思っているので、このまま少しずつThreadsのフェディバース連携が進化(深化)していくことを願っています。
Threadsでアカウントを所有している、企業の方や有名人の皆様、一度フェディバース連携をオンにしてみませんか?
ボタン一つで広がる世界があるかもしれませんよ!
それでは、今回はこのへんで。
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