2017年10月から12月にかけて放送されていたTVアニメ「ネト充のススメ」をご存知ですか?
ネトゲ…いわゆるオンラインゲームに全力で没頭する三十路女性が主人公という、なかなか斬新な設定に心惹かれて視聴してみたら、あっという間に全話視聴してしまっていましたw
ネト充のススメは、仕事を退職しネトゲ廃人状態の主人公が、ネトゲ世界でのプレイヤー達との繋がり、そして現実世界においての繋がりを通して、成長・変化していく姿が楽しめるストーリーです。
今回は、「ネト充のススメ」を全話視聴しての感想を書いていきます。
なお、あらすじを全話分詳しく説明…という内容ではないものの、本筋的なネタバレを出さないと感想の書きようがないので、すでに全話視聴済みであったり、未視聴でもネタバレ上等!と思える方に向けての記事となります。
新鮮な気持ちでネト充のススメを観たい方は、dアニメストアで全話視聴できますので、ぜひチェックしてみて下さいね!
それでは、本題に入ります。
「ネト充のススメ」とは
TVアニメ「ネト充のススメ」は、2017年10月~12月に放送された作品です。
原作は漫画で、「comico」で連載されていた作品となっています。
単行本は2巻発売されていますが、作者の方の体調不良により休載となり、そのまま連載終了となっています。
ただ、作者の方(黒曜燐さん)はTwitterが現在形で更新されているので、活動はされているみたいですね。
よかった…。
【お知らせ】
見たい人だけ見る用「ネト充のススメ用プライベッター」https://t.co/5z6CAEWBTr
漫画は入ってないです。シナリオを一話ずつ振り返ったり、雑描き放りこんだりです。
画像を見てから覗くかどうかご検討を…!
一枚目…プライベッターの見方・注意等
二枚目…内容物について pic.twitter.com/zcByh8ZKeG— 黒曜燐 (@kokuyo_rin) 2020年10月25日
ネト充のススメ・おおまかなあらすじ
ざっくり気味かつ最終回あたりの展開は伏せておきますが、TVアニメ版・ネト充のススメの大まかなあらすじを説明しておきます。
ネト充のススメは、仕事を自主的に退職しニートとなった主人公・盛岡森子(もりおか もりこ)が、自宅でネトゲ(ネットゲーム・オンラインゲーム)をプレイするところから始まります。
ゲーム内ではイケメンキャラ・林(はやし)としてプレイすることに。
ゲーム序盤で詰みかけたところを助けてくれた、ピンク髪の可愛い系女性キャラ・リリィと出会い、ゲーム内で意気投合。
森子は、親身で優しいリリィに、女性キャラ相手にも関わらずトキメキに近い感情を持つように。
更にリリィが所属するギルド(複数プレイヤーの集団・グループ的なもの)に林も入ることで、ゲーム内でのプレイヤー同士の関わりも増えていきます。
一方、現実世界での外出は、ジャージ&すっぴんでコンビニへの買い出しのみ…というかなりイケてない感全開の森子。
そんな森子に、衝撃的かつ劇的な出会い方をする、年下の会社員・桜井優太(さくらい ゆうた)は、飾らない森子の姿に心惹かれていきます。
更に桜井優太の上司・小岩井誉(こいわい ほまれ)は、森子の勤務時代に接点のあった人物で、偶然森子とコンビニで出会ったことから、森子を食事に誘う関係に。
ゲームに没頭したいけど、食事の誘いを断りきれず受けることにした森子に、小岩井と森子の関係を心配する気持ちを隠せない桜井。
そんな中、ゲーム内で自分の近況をリリィに相談する森子(林)に、リリィの画面の向こうの人は動揺します。
なぜなら、リリィを操作しているのは、桜井だったから。
リリィの正体が男性…しかも面識のある人物だという事実を知らないままの森子と、少しずつ林のプレイヤーが森子だと確信していく桜井。
小岩井も同じネトゲをスタートしたのを機に、お互いが身バレしないように別のキャラでプレイすることになった森子と桜井。
別キャラでプレイするうちに、森子と桜井は以前プレイしていたネトゲでも繋がりがあったことを知ります。
さらに、リリィのプレイヤーが桜井だったことを森子が知ることに…。
おおまかなあらすじは、とりあえずこんな感じですね。
ネト充のススメは、森子と桜井の、ネトゲでの繋がりと現実世界での繋がりを軸に展開していく恋愛ストーリーとなっています。
ただ、恋愛下手同士でいい年した大人(悪意はないのよw)の恋愛なので、恋愛要素が苦手でも観やすいのではないかな?と思います。
次の項目からは、ネト充のススメで面白かったところをピックアップしたいと思います。
ネト充のススメ・面白かったポイント
盛岡森子のネトゲ充感がすがすがしい
ネト充のススメの面白さは、三十路・ニート・ネトゲに全力という、強烈な設定もりもり状態な盛岡森子がいるからこそ…だといっても過言ではありません。
外出はぼろぼろな見た目でふらふらコンビニに行くのみで、時間があれば昼夜問わずネトゲやるぞ!という絵に描いた「ネトゲ充」ぶり。
身内がこの状況だったら心底心配するパターンですが、森子本人はやりたいことを全力で楽しんでいるに過ぎないので、ゲームを楽しそうにプレイする姿に、すがすがしい気持ちになれました。
森子の低すぎる自己肯定感
ネトゲは活き活きとプレイする森子ですが、仕事を自主的に退職した直後という状態ということもあり、素の人間としてはかなり自己肯定感が低いです。
コンビニに行くのも、堂々と行く…というよりは、罪悪感や劣等感が丸出しな状態で、桜井や小岩井との会話でも、自虐的な言動が多い印象でした。
実は何かと森子はハイスペックだったりするのですが、本人は全く自分の良さに気付いていないのも、面白いところでしたね。
ネトゲ界のリアルっぽさを感じるところ
私がこれまでプレイした、チャットやメンバー間の交流ができるネトゲっぽいゲームは、2019年11月にサービスが終了した「LINEプレイ・つりとも(LINEプレイ本体はサービス継続中)」という釣りゲームでした。
↑の記事は、ただつりとものことをグチってるだけの記事ですけどw
つりともでも、ただ他のプレイヤーと一緒にゲームを楽しむ…というポジティブな出来事だけでなく、プレイヤー同士のトラブル(揉めごと)があったり、恋愛沙汰みたいな話を聞いたことがあったんですよね。
ネト充のススメでも、ほんのりギルドメンバーの一人に恋心を持ってるプレイヤーがいたり、キャラの可愛さに勧誘が多すぎて困惑したり、ゲームそっちのけで他のプレイヤーの心配をしたり。
ゲーム上であっても人間関係いろいろあるよね…という要素が描かれていて良かったです。
がっつりネトゲをプレイしている方から見たら違う感想が出るのかもしれませんが、個人的にはネトゲらしさがよく出ていたと感じました。
ネトゲ上と現実との繋がりが楽しい
ストーリー序盤は、森子だけが現実とネトゲの世界を行き来しているような状態になっています。
しかし、あらすじでは触れませんでしたが、話が進むと林(森子)が所属しているギルドのリーダーが森子行きつけのコンビニ店員(藤本和臣)だったことが発覚し、林の正体がバレた状態でゲームをプレイすることになります。
さらに桜井優太も森子が林のプレイヤーと気付くようになり、どんどんネトゲ世界と現実世界がリンクしている状態になっていくのですが、ネトゲ上と現実世界が同じ時間で動いていくことがはっきりしていくのが楽しいですね。
ネトゲ上のキャラも別の声優がいて(身バレ後に作成しているキャラは同じ声優)、ゲームとしての世界も確立されているのもいいところかも。
「ネットの向こうにも人がいる」と言葉にするのは簡単ですが、ここまでネトゲの向こうの人間の存在が見えるのは新鮮ですw
あまりにいい人すぎる小岩井誉
森子が働いていた時代を、声だけとはいえ知っている小岩井誉。
コンビニで森子と出会い(顔を知ってるのは、名前で調べていたから)、飲みに誘う…という森子の相手役のような行動を取りますが、森子に好意を寄せる桜井優太のサポート的立ち位置に見事なまでに変わっていきます。
フットワーク軽めな小岩井に嫉妬しつつも慎重になってしまう桜井にせっついたり、油断したら自分が森子を狙っちゃうよ?という態度を出して焦らしてみたり、絵に描いたように森子と優太を全力サポート。
第一印象としては、いい人風な感じではなかった小岩井さん(特に桜井くん目線で見たらライバルっぽい立ち位置でしたし)ですが、全話通してみたらめちゃくちゃいい人でした。
あまりにピュアな桜井優太、そして森子
超善人キャラタイプとは言えないはずの小岩井が、結果的に全力サポートしてしまうくらい、森子と桜井はピュアで引っ込み思案です。
桜井くんは見た目も爽やかで、ネトゲ廃人状態ということ以外はモテそうな要素しかない感じなのですが、森子と知り合ってからのメールの返信に一喜一憂する姿はまさにピュアとしか言いようがありませんでした。
一方の森子も、三十路ではあるものの過去の恋愛経験の描写は全くなく、少しずつ桜井に惹かれていく姿は初恋か?と思うくらいピュアそのもので。
ささいな反応や言動で傷ついたり、落ち込んだりしてしまう二人が、少しずつ距離を縮めていくのを見るのは楽しかったですね。
ネト充のススメの面白かったと思ったところは以上です。
果たして文章にして楽しさが伝わったのでしょうか…伝わってほしいw
「出来すぎ」な世界だけど…ネトゲの楽しさが伝わる良作です
ここまで、TVアニメ・ネト充のススメの感想を書いてきました。
正直ですね、全話視聴して面白かったけど、同じくらい「ちょっと出来すぎてる世界だな」ということも思ったんですよね。
多くのプレイヤーがいるネトゲで、全く知り合いでもないのに同じギルドのメンバーが自分の生活範囲に3人もいる…しかもその事実に気付くなんて、現実ではほぼありえないことです。
さらに、現在プレイしているゲームでパートナーになっている相手が、以前プレイしていた別のゲームでも偶然パートナーだった…なんて、狙ってもできることではないですよね?
アニメ(+漫画)にリアリティを求めるのはアレかと思いつつ、ちょっと現実味がなさ過ぎるかな?というのは率直に感じました。
ただ、出来すぎた世界線であることを差し引いても、仕事を辞めた開放感からテンション高めでネトゲを全力でエンジョイしている森子の姿は楽しいし、「中の人」を意識しながらネトゲ世界のキャラ達を眺めるのも面白かったです。
森子役・能登麻美子さん、桜井役・櫻井孝宏さん、小岩井役・前野智昭さん、藤本役・寺島拓篤さんと、実力派かつ中堅どころの声優が揃っていたので、安心して楽しめたのも大きいかもしれないですね。
ネト充のススメは全10話で、シリーズ化されていない作品ではあるのですが、だからこそさくっと楽しめる作品に仕上がっていると感じました。
転生ものではなくネトゲ世界の雰囲気を楽しんでみたい、引きこもりネトゲ廃人の恋愛が面白そう…と感じられるなら、ぜひチェックしてみて下さいね。
それでは、今回はこのへんで。
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